【ゲームプロデューサーを目指す学生がクリエイターにインタビュー】 ヒット作を連発するMIP理論と新たなニーズ、小山順一朗#5

前回のまとめ
「珍しくて欲しい」という天才商品を作らないと会社が傾いてしまうと言われたものの、実際に作るのは難しい。梅澤先生に感性に頼らず再現性のあるやり方ではないことが原因だと指摘された小山さん。
特別な才能がなくてもヒット作を生み出せるMIP理論とは?
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複数のヒット作
福山「小山さんへのインタビューが決まってから、筐体が残っている店舗でアイマスアーケードを触ってきました。その中で他の作品を振り返ると、戦場の絆や太鼓の達人など遊んだことのあるヒット作ばかりでした。」
─── 余談ですが、アイマスの筐体を設置している店舗をまとめたwikiが現在も動いているので興味のある方はぜひ
福山「1作だけでなく、複数作をヒットさせるという所に小山さんの凄さを感じていました。」
小山様(以下、小山と表記)「そこに目を付けました!?」
小山「そうなんです。例えば名越さんだったら龍が如くシリーズ、桜井さんだったらスマブラとなりますけど、私がいっぱいヒットできたのは、本当にその理論のおかげ、誰でもできるっていう手法があるからなんです。」
小山「あれがなかったら今でもクソゲーを作ってました。」
─── 前回の話を踏まえると、シリーズ化したものにリソースを割くことに関しては、天才商品をロングセラー化するために必要な行為であると思いました。ビジネスとしての収益を思えば、むしろそうなることが自然なのかもしれません。
─── ヒット作をさらに伸ばす、ではなく新たなヒット作を作るという点で小山さんの手法は大いに参考になりそうです。
MIP理論とは
小山さんが梅澤先生に教わった理論、MIP理論とは「Market Initiating Product」の略であり、新市場創造型商品開発とも呼ばれる。
小山「梅澤先生は新しい市場を創るものしか許してくれませんでした。」
新しい市場、つまり新たなニーズを作ることが重要であるという考えだ。
─── 既存のニーズを探すだけでは、限られたリソースを食い合うことになると思うので、その考えには大いに共感します。
MIP理論が作るニーズとは
ニーズを作り出すことに関して、小山さんはMIP理論とは別の例を挙げた。
小山「マーケティングとかの界隈では有名な学者さんに、ニーズを作り出すことが嫌すぎて会社を辞めた方がいます。」
小山「それはどういうことかというと、もう買い替える必要がないものをわざと『もうそれは古いですよ』『もうトレンドじゃないですよ』と言って無理やり買い替えさせるっていうニーズの作り方をするのが嫌いということです。」
小山「梅澤先生はそういうことはしないんです。その人が気づいていないニーズを創り出すことができるんです。」
小山「その創り出すやり方を見ますか?」
まとめ
プランナーの就職活動では企画書の提出を求められる場合があります。その際に、感性に頼った考え方をしている場合や既存のニーズを漁っていれば、そんな誰かが既に形にしていそうなアイデアになっています。と、今更ながら思います。
これについては研究活動においてもまさしく、といった感じでアイデアを却下されるときは大体このパターンです。
競合と同じニーズを拾い上げて戦うのは苦しい、そんな実体験とリンクするようなお話でした。
#6では既にあるニーズではなく、その人が気付いていないニーズを見つける方法について教えていただきます。