【ゲームプロデューサーを目指す学生がクリエイターにインタビュー】やりたいことは言語化する、どうするかは専門家を頼る 河野一聡#4

【ゲームプロデューサーを目指す学生がクリエイターにインタビュー】やりたいことは言語化する、どうするかは専門家を頼る 河野一聡#4

【ゲームプロデューサーを目指す学生がクリエイターにインタビュー】やりたいことは言語化する、どうするかは専門家を頼る 河野一聡#4

コンテンツ [表示]

  1. 1専門家に頼る
  2. 2最良のコミュニケーションに繋がる
  3. 3迷わせないための言語化
  4. 4今回のお話をうけて

↓初回記事はこちら

【ゲームプロデューサーを目指す学生がクリエイターにインタビュー第二弾】 世界中の人に感動を与えたい エースコンバットシリーズブランドディレクター、河野一聡#1のイメージ
【ゲームプロデューサーを目指す学生がクリエイターにインタビュー第二弾】 世界中の人に感動を与えたい エースコンバットシリーズブランドディレクター、河野一聡#1

専門家に頼る

コミュニケーションの多くは製品の品質ついてであるという話があった。その中で河野さんのイメージとアウトプットが異なっていたとしても、志が共有されており、それに沿ったものであれば意思疎通が取れていたとなるのだろうか。

河野様(以下、河野と表記)「例えば全部を見ることになるディレクターとあっても、結局ビジュアルやエンジニア、サウンドをずっとやってきた専門職に比べると知識は劣るわけです。」

福山「その職をずっと経験してたりっていうのであれば話が変わってきますが、全職種を経験してディレクターになってる方はまず居ないですよね。」

河野「全方位に専門家に匹敵するぐらいの知識を持つというのは現実的ではないです。そうすると専門家に任せる、頼るしかない部分がある。」

河野「今回のコミュニケーションってところに論点を置くと、相手へのリスペクトが先にあって、上下ではないコミュニケーションを目指します。」

河野「今僕らが目指したいグラフィックはこれですっていう話のときに、アートディレクターが『僕は違うと思います。なぜならばこの光の角度のほうが~』と話があって、確かにそれもあるか、でも俺はこういうふうにしたいんだよねって話し合いが始まる。」

河野「『目指してるのはこういう絵作りなんだけどどういう方法がある?』とか『ここなんか暗いけどどうしたらいいの?』っていうふうに、何を目的に何を達成したいかを専門用語が使えなくても一生懸命に言語化して伝えて、どの手段で実現するべきかは専門の人に頼るしかないですよね。」

河野「でも、そこで話し合いが生まれて、だったらこういう方法がありますね、だったらこっちの方が良くないですかっていうので変じて生まれる、お客様に対してさらに価値のあるもの、かつ我々の得意で独自性のあるものが引き出されてブランドとしての強みが発揮される。」

河野「アウトプットに関しては、相手の出してきたものが、僕の想像を上回るぐらい良いっていうときはもちろんそっちに変えますし、そうでないならやっぱり話し合いながらすり合わせをしていく。」

最良のコミュニケーションに繋がる

河野「チームビルディングをするために最良のコミュニケーションって何ですかと聞かれたら、志を実現するために一緒に問題を乗り越えていくこと。そこで起こるコミュニケーションが一番良質。」

河野「乗り越えていった結果、信頼関係が深まったり、相手が大切にしている役割、得意なこと、苦手なこと、性格だったりとか全部分かってくる。それが分かれば、また一緒に仕事する時は前よりも相乗効果を出せていく。そうやってチームビルディングって継続して磨かれていくものなのかなと考えているんです。」

─── 一方的に指示するのではなく、相手を頼ることで双方向のコミュニケーションが生まれ、それが一緒に乗り越えていく時の良質なコミュニケーションに繋がるのではないでしょうか。

迷わせないための言語化

では、そんな最良のコミュニケーションを発生させるために必要なことは何だろうか。

河野どういったことを達成したいかというビジョンはきちんと共有できている必要がある。だから、結構それを実現するための語りかけはします。最終的なアウトプットは相手の才能にお任せするので。ただ、その前の段階では一生懸命に志と想いを伝えます。」

河野「なるべく自分の中にあるイメージを言語化して、キーマンたちに語りかける。なぜそれが面白いと思っているのか、なぜ必要だと思っているのかをスタッフの彼ら彼女らに一生懸命言語化して伝えるっていうことはやっています。」

河野「裏返しに言うとディレクターとかプロデューサーで一番危ないのは言語化しない人だと思うんですよ。上がってきたものを見せられて、『なんか違うんだよね』とか、『なんか面白くないんだよ』とか、『なんか俺の思ってる感じじゃないんだよ』って。」

河野「言われた方も困っちゃうじゃないですか。それを言い出すとみんな何していいか、どう解決するべきなのかよく分からなくなっちゃうので。実は僕は『なんか』って口癖なのですが、『なんか』って言いだすときは、必ずその違和感を言語化して伝えるように努力しています。」

今回のお話をうけて

ディレクターという職種に対して、自分の専門外のことはどうやってディレクションしているのかという疑問はなんとなく解消されたと感じています。ディレクターとしては、全てに精通していることより、到達点を明確にしていて、それブレないことが重要なのだと思います。

ゲームを遊ぶなど様々なコンテンツに触れる中で消費者目線でも「なんか違うなぁ」を感じることはあると思います。
その何かを具体的に言葉にする練習は普段からできることなので、これを習慣化しておくと、他者だけでなく自分へのフィードバックの精度が上がって好循環が作れる気がします。

その言語化したものが良い指摘であるか、的外れであるかは現段階では問題ではなく、感覚的な内容を言語化する癖を付けることがまずは大事なように感じました。

↓NEXT

【ゲームプロデューサーを目指す学生がクリエイターにインタビュー】ディレクションにセンス以外の基準はある? 河野一聡#5のイメージ
【ゲームプロデューサーを目指す学生がクリエイターにインタビュー】ディレクションにセンス以外の基準はある? 河野一聡#5

↓PREV

【ゲームプロデューサーを目指す学生がクリエイターにインタビュー】最良のコミュニケーションとは 河野一聡#3 のイメージ
【ゲームプロデューサーを目指す学生がクリエイターにインタビュー】最良のコミュニケーションとは 河野一聡#3
福山
ライター

福山

インターンとして執筆を行っている情報系の大学院生です。ゲーム業界への就職を目指す当事者として、業界に興味を持つ皆様のお役に立つ記事をお届けしていきたいと思います。 大学院ではカラーユニバーサルデザインやデザイン工程でのコミュニケーションについて研究しています。

おすすめの記事

Recommended Articles
  • ゲーム企画の伝え方 〜より良い企画を作成するために抑えるべきポイント〜

    2024.02.13

  • 【完全版】ChatGPTを使いこなすための汎用プロンプト16選

    2024.03.22

  • ChatGPTを使ったゲーム企画書の書き方|すぐに使えるプロンプトと実例

    2024.03.22