【ゲームプロデューサーを目指す学生がクリエイターにインタビュー】そもそもゲームって売りたいのか ヨコオタロウ#5

【ゲームプロデューサーを目指す学生がクリエイターにインタビュー】そもそもゲームって売りたいのか ヨコオタロウ#5

【ゲームプロデューサーを目指す学生がクリエイターにインタビュー】そもそもゲームって売りたいのか ヨコオタロウ#5

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  1. 1ゲームって売りたい?
  2. 2今回のお話をうけて
  3. 3余談

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【ゲームプロデューサーを目指す学生がクリエイターにインタビュー 第3弾!】今から僕が話す話を基本的には信じないでほしい ヨコオタロウ#1

ゲームって売りたい?

ヨコオ様(以下、ヨコオと表記)「すいません。話を中断して申し訳ないんですけど、さっき売れるにはどうしたらいいかって話があったと思うんですけど、みんなそんなにゲームを売りたいんですかね。何だろう、売りたい......売りたいのかな。」

売るために必要なこととは?感性がズレてて売れなかったら困るから、感性の差異ってどう埋めているんですか?という質問が続いていた。その中で、ヨコオさんが売るということに対しての疑問をぶつけられた。

福山「インディーと企業に所属しようという人で多少マインドが違う気がします。会社員としてやるなら、会社という組織の仕組みとして、会社に対して一定の貢献をして、それに対してお金を貰うという形だというふうに個人的には捉えています。そういう意味では、ある程度売れる企画を考えるということになって、売りたいとも考えるのかな?と思います。」

福山「インディーではその人の経済状況次第ですけど、単純に趣味でとか、好きなものを作りたいっていう人なら、売りたい!とはそこまでならないんじゃないかなという。生活がヤバいっていう人は当然売ろうという気持ちになるとは思いますが。あくまで想像ですね。」

─── 改めて考えると、自分の作ったゲームをたくさんの人に遊んで欲しい、となれば売りたいということに繋がるのかもしれません。

ヨコオ「会社の、具体的に言うと上の方に認められたいってことですかね。」

福山「どうなんでしょう。私個人としては、エンターテインメントでも商売なので、社会人としての責任みたいな意味で売らないといけないんじゃないかという感覚はあります。」

ヨコオ「売って利益を上げて会社の中で誰かに褒められたいのかとか、売って利益を上げて会社の誰かを豊かに、社長を豊かにして幸せにしてあげたい。利益をあげて給料が上がって自分がちょっと良い暮らしをして。売って利益を上げて、有名に......有名なのは別に利益はあまり関係ないか。まぁ、いろんな売りたいっていう言葉の先のゴール、本質的なゴールっていうのは何なんだろうって思うんですよね。」

ヨコオ「売上の話を聞くと、その先に何があるんだろうっていう。本当にそれを望んでるのかなこの人はっていうことをよく思いますけどね。だって、もう困らないじゃないですか、食べ物だって、みんな飢えて死ぬようなことはない。」

─── 個人の感覚としては、「売りたい」という欲求ではなく「売らなければ」という強迫観念、責任に近い感覚を持っているので、売ることの延長線上に本質的なゴールは存在していないというのが適切な気がします。売り上げが1でも達成できるゴールなら、売ることとは強い関係はないと思っています。

ヨコオ「ゲーム作ってお金をいただくなんて本当に遊んでるような仕事だと思っていて。それ以上の強い欲求……売りたいとか、そういう気持ちはあんまり生まれてこないんですよ。売れたら当然みんながハッピーになりますし、僕の預金口座も増えるんで嬉しくはあるんですけれども、自分自身はお金儲けにはあまり向いてると思ってなくて。」

ヨコオ「だからさっきの売上の話とかを聞くと、その人のゴールは何なんだろうってことがすごく気になる感じですね。自分にはわかんないです。売れて、売れた数字がこうバン!と上がることが快楽に繋がってる人っているのかも知れないけど僕はちょっとそういう感覚になれないので。」

ヨコオ「わからない......わからないですねっていうのをさっき聞きながらちょっと思いました。」

ヨコオ一番興味があるところはその先に本質的に何があるんだろうっていうことです。例えば、お金稼ぎたいとか、ゲームを作りたいとか、面白いものを作りたいとかっていう先。それは学生さんは考えても良いのかなという気はします。」

今回のお話をうけて

河野さんの記事でも「志」、何を成し遂げたいのかという話があった。ヨコオさんも同様に、相手が何をゴールとしているのかを知りたがっていました。

結局、当たり障りのない言葉には聞き飽きているのかもしれないなと思いました。本音やその先を隠されると、相手の理解することも難しいのだろうなと感じる一方で、自分のやりたいこと、本音を言語化できている人はそこまで多くないのではとも思います。

これまでヨコオさんを含めて3人の方とお話させていただき、皆さん洞察が深いなと感じています。その能力の身に付け方なんてものがあれば知りたいと思いますが、積み重ねなのだろうなと思います。

余談

ヨコオ「僕、この話は河野さんから回ってきたんですけど。河野さんもインタビューしたんですよね。」

福山「はい。もうほとんど記事も書き終わっていて確認していただくという段階ですね。」

ヨコオ「面白かったですか、河野さんは?」

福山「面白かったです。学生へのメッセージで自分がやりたいこと、成し遂げたいことを具体的にしましょうね、というお話をいただいて、それを人に説明するまで理解するのは難しいなとは感じました。」

ヨコオ「なるほど、ちゃんと伝わる記事にするのが難しい。」

福山「そうですね。自分の認識があっているかは不安です。」

ヨコオ「なるほど、言っときますよ。なんか分かりづらかったって言ってたって(笑)」

福山「そういうことじゃないです(笑)単純に自分が浅学だっただけというか......」

ヨコオ「難しいですよね。最初に話したんですけど、年寄りは自分をよく見せようでやってきたことを肯定するって感じですから。そんな、ある種の自慢話から若い人が役立つことをくみ出すってなかなか難しいんですよね。」

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福山
ライター

福山

インターンとして執筆を行っている情報系の大学院生です。ゲーム業界への就職を目指す当事者として、業界に興味を持つ皆様のお役に立つ記事をお届けしていきたいと思います。 大学院ではカラーユニバーサルデザインやデザイン工程でのコミュニケーションについて研究しています。

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