【ゲームプロデューサーを目指す学生がクリエイターにインタビュー】ヨコオタロウの逆質問、インタビュー......雑談? ヨコオタロウ#14

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インタビューという名の雑談
ヨコオ様(以下、ヨコオと表記)「福山さん、このインタビューの仕事楽しいですか?」
福山「すごく楽しんで取り組めているなと思います。ゲーム開発の仕事ではないですが、普段お話を聞けないような方々と1対1で長時間お話させていただけるのは貴重な体験だなとも思っています。」
ヨコオ「なるほど。その楽しさを中学生の人とかが味わうとしたらどういう仕組みがあるといいと思いますか。いや、試験とかじゃないので単純な質問として。」
ヨコオ「今楽しいと思っている状況は他の人があんまり得てない特殊な状況だと思うんですね。だから、例えばその辺のおばさんがこの体験を得られるわけではないじゃないですか。」
福山「自分の感じている楽しさに似たものとして、ライブやパフォーマンスで観客から人を指名して一緒に舞台に上がろうよ、何かしようよみたいなもので選ばれた人の楽しさがあるのかなと思っています。新しく仕組みを考えるだとすぐには浮かんでいないですが、近い仕組みとしてはこれかなと。」
ヨコオ「それはピックアップされてステージに上がるのと、パフォーマーに近づける感じ、大勢の中から俺が特別だっていう気持ちのどれが大事なんだろう。」
福山「それぞれに楽しさや嬉しさを感じる人はいると思いますが、それらは体験の貴重さの方がよりコアに近いのかなと思います。」
ヨコオ「優越感ではなく、貴重であることが大事。」
福山「優越感も言ってしまえば、自分はできるけど相手はそうではないということだと思っていて、それは優越感を感じる側に希少性、貴重さがあると言えるのではと思います。」
ヨコオ「当然場合や仕組みにもよりますけど、その貴重なときに優越感を感じるという、そのセットになっていることが福山さんにとっては良かろうということなんですかね。」
福山「そうなのかなとは思います。」
ヨコオ「なぜそう思うと嬉しいんですかね。優越感っていうのは何か嬉しいものなんですかね。」
福山「優越感が嬉しいものであるのは、優越感を感じられると良いよねという合意みたいなものがうっすらと取れている状況だからだと思っていて、それは社会を形成する生物として生まれ育った経験からきているのではと思います。」
ヨコオ「うっすら合意が取れているから良いんですかね。」
福山「順番が逆な気がしていて、集団で生きるときに最優先目標とされやすい自己の生存や種の存続みたいなものにたまたま上手く寄与してきたから、今こうした形で優越感に心地よさなどを感じるものになっていると言った方が良いのかなと思います。」
ヨコオ「ではちょっとバタバタって最初に戻りますが、それがインタビューして楽しかったっていう福山さんの気持ちってことですかね。」
福山「ただ、こうして堀ったものをさかのぼると変な気もするなと......」
ヨコオ「僕は当然それが正解とも不正解とも分からない、福山さんじゃないから。どういう気持ちでやってたんだろう、楽しかったらいいな。そしてその仕組みはどうだったんだろうってことを聞いただけなので。」
福山「こういうときに毎回でないですが、どこかのタイミングで自分が消えることが割とあるんです。」
ヨコオ「それは福山さんの性質なんですかね。それとも好みなんですかね、自分を途中で消すのが。」
福山「根本的に人があまり好きでなくて、その人の中に自分も含まれているので、消してしまえってなっている可能性はあります。もしくは自分が気付いていないだけで消えていないとか。」
ヨコオ「その葛藤は面白いですね。今の話を受けて、自分が消えてる、人が好きじゃないっていう話とインタビューが面白かったという話が一見全然違う話ですけど、福山さんの中で同じフォルダに入ってるのがすごく面白いです。」
福山「支離滅裂なようにも見えるので、就活に限らずに自分の見せ方を求められる場合は避けないといけないのかなとも思いますね。」
ヨコオ「本当は繋がってないんですよね。そこは何かバラバラになってる。要はその途中で自分が喪失してしまって、たどって逆走すると本当にそれは自分なのかなみたいな疑問が発生するところが福山さんっていう人なんですよね。」
ヨコオ「今は面接ではなるべく隠さないといけない。それを記事にして書いたらいいじゃないですか(笑)」
福山「ちょうど書くかどうしようかなと思っていました(笑)」
ヨコオ「自分の本質、自分自身でそれを掘ってみると本質だったけど、それはプレゼンテーションできないから出せないなって気付いたとかは良い共有な気がするんですけどね。」
ヨコオ「面白いです。自分自身を出すとおかしくなるから出せないって就活とかすごく歪んでて人間らしいなと思います。」
今回のお話をうけて
記事にする際にヨコオさんに質問されたことを改めて考え直すと、楽しさの理由が違うなと思いました。上記のものよりも勉強の楽しさの方が近い気がします。
勉強の楽しさには、物事を見る解像度が上がる、そもそも見る視点が増える、自分の未熟さを実感できるなどがあり、このインタビュー企画ではそれら全てを感じられているなと思います。
そもそも途中のステップで的確さの低いものを選んだせいで自分に当てはめきれないというケースは多々ありそうだと感じると同時に、途中で急激に一般化させようとする癖があるなと思ったので、改良の余地アリというやりとりでした。
あまり見せないようにしないと、と言いつつインターネットの海に流しているじゃないか。というツッコミに対しては、仮に採用担当者の方がここまで読んでくださったのならトータルでプラスなのでは?という気持ちです。そして、「人の振り見て我が振り直せ」ともいうので、人の役に立てば良いなと思っていますから問題なし、ということにしておきます......
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