ゲーム、アニメ、コミック、映画… あらゆるメディアに向けてワンストップでコンテンツを制作! あまた株式会社代表・高橋氏が目指す未来と、そこに至るまでの不思議な経緯とは?-第4回
7回の連載に分けてお送りしている対談の第4回目。『どこでもいっしょ』のディレクターから、オンラインゲームの運営、ガラケーのゲーム開発などを経て自ら起業!スマホからコンシューマー、VRゲームなどオールジャンルのゲームを開発するあまた株式会社が、映像、コミックなど、ゲーム以外のコンテンツを制作する理由や、その先にある未来の姿について、高橋社長に熱く語っていただきました。(聞き手:コンフィデンス取締役 竹下和広)
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第4回 - たゆたうの社名の由来は…co.jpのドメインが空いていたから?
竹下和広(以下 竹下):それで、たゆたうですよね?
高橋宏典(以下、高橋):創業時はたゆたうという適当な名前で始めて、ひらがなの名前って目立つよねと。何でたゆたうなんですかと聞かれるのですが、本当に覚えていなくて。何でそんな名前にしたのか自分でも不思議です。お名前ドットコムでドメインを検索して、co.jp空いてるじゃん、ドメイン取れるからこれでいいじゃんと思ったのは覚えています。ほかに候補があったかもあんまり覚えていないくらい、雑に付けました。(笑)
竹下:でも、自分で決めたんですよね?
高橋:創業時は一人だけですから。凄く真面目に創業してやろうと思ってたわけじゃなくて、一人会社でもいいやと創業したんですが、会社って決算とかいろいろと面倒くさそうだぞというのを後で知って、今一緒にやってる副社長の増田がSCEから一緒に仕事をしていたのですが、「俺、創業しようと思うんだよね」と声を掛けて、決して面倒くさいからとは言わずに(笑)、一緒にやろうと話して。副社長と二人揃ったところからが実質的な創業になりますが、そこで改めて自分たちの強みというのはゲームをずっと作ってきたこと。だからゲームとかエンタテインメントはしっかりやって行こうと。
竹下:ふとした疑問なんですが、どうして「たゆたう」が「あまた」に変わったんですか?
高橋:創業当初は二人しかいなかったので、コンシューマーの開発規模の大きいゲーム開発ができるかとなると、なかなか難しい。
なので、モバイルとか、インターネット領域と重なるところでまずはやろうと。その時たまたま、モバゲーとかグリーとか、我々が創業した翌年にオープン化して、ソーシャルゲームの仕事がいただけるようになって、社員がバーッと増えていったのですが、社員が入る時に、「なんでたゆたうなんですか?」って毎回聞かれるわけですよ。
竹下:また面倒くさい。(笑)
高橋:確かに面倒くさくはあるのですが。「いや、特に理由はないんだよね」みたいなのもアレだし。社員が100人になってきた時に、やっぱりちゃんと改めて、会社らしい、いわゆるミッション、ビジョン、バリューとか、企業理念的なものを社内の若手の有志を集めて考え直そうかというのをやって、改めてミッション、ビジョン、バリューを策定した後にそれに合った会社名を考えようと。
なので、ひらがなの名前というのも全部フラットにして、新しい会社名の案出ししようよと。適当に付けた、たゆたうという名前もひらがなでインパクトがあったから、有志メンバーの中からも、ひらがなの和風な名前がいいんじゃないという話が出て、たくさん出た社名候補の中から「あまた」っていう、たくさんの凄い才能が集まって、たくさんのエンタテインメントを作る企業でありたい、という意味合いができるのでいいんじゃないかと。
竹下:なるほど、このロゴデザインにも意味があるんですよね?
高橋:それはロゴデザイナーさんに作っていただいたものですね。社名をあまたに変えるときに。
竹下:良いデザインですね。
高橋:はい、アシックスのマークとかを作られたロゴデザイナーさんで、頼んだら、あまたという名前にビビッと来たそうで。いくつかご提案いただいたのですが、その中から選ばせていただきました。
たまたまかもしれせんが、ロゴの中にある四角形も8×8なので64ビットなんですよ。ゲームっぽくていいなあと。四角の形もいろいろで、いろんな才能が集まってできているということもあり、これがいいですねと。
竹下:あまたになってから今、どのくらいですか?
高橋:3年になります。夏が来ると4年になります。
竹下:あまたになって何か変わりました? 名前を変えると何か変わりますよね?
高橋:名前が変わったことより、コーポレートカラーが黒白というソリッドなものになったので、そっちの方のインパクトが大きかった気がしますね。ロゴデザインもカチッとした感じになったので。
あまたという社名は以前のものよりシンプルというか、文字数も一つ減ったので、より覚えていただけるようになったと思います。
たゆたうは領収書を書いてもらう時に困難があったのですが、それもなくなりました。前もインパクトで覚えてもらってましたが、「あ」ではじまるので、より覚えていただきやすくなったと思います。
竹下:何でもやる会社。何でもある、どっかで聞いたことがある…。(笑)
高橋:現場的には、正社員と派遣、業務委託スタッフを含めると220名くらいになっています。社内の構成でいうと、ほとんどがゲーム開発スタッフで、ゲームプログラマーやCGアーティスト、ゲームデザイナーや、ディレクター、プロデューサーなど。コンシューマーとかアーケードからずっとゲームを作ってきたベテランスタッフがコアメンバーでいる。
私も28年くらいゲームを作っていて、経験したプラットフォームも、適当に流されて来ただけという説もありますが、アーケードからはじまって、家庭用、PCオンライン、モバイル、スマホ、VR、そしてまた家庭用ゲームもやってと。キャリア20年から30年以上のアラフォー、アラフィフのベテラン勢が3分の1くらい。
竹下:ベテランの会社ですね!
高橋:あともう一個、NC JapanとかNHN Japanとかで日本のPCオンラインゲームの立ち上げ時期の、昔で言うGMからたたき上げのゲームの運営を10数年やってるベテランの運営スタッフもいます。
あまた株式会社
代表取締役社長 高橋宏典
大学を卒業後、テクモに入社。その後ソニー・コンピュータエンタテインメント(当時)で『どこでもいっしょ』のディレクションを担当し、最年少プロデューサー(当時)に。その後フロム・ネットワークス、韓国でオンラインゲームのスタートアップ企業、キューエンタテイメント等を経たのち、株式会社たゆたうを起業。設立10年の節目に社名をあまた株式会社に変更、現在も代表取締役社長を務める。