<ゲーム業界リレーインタビュー>第3回スマホ ゲーム「感染x少女」クリエイティブインタビュー 猫口眠@囚人P - ガメモ
2016年からスマートフォン版のサービスが開始された「感染×少女」(エイジ)。このゲームのクリエイティブディレクターとして活躍されているのが猫ロ眠@囚人P氏。ボカロPとしてニコニコ動画からデビューした氏が、なぜクリエイティブディレクターになったのか。その転機となった出会いのエピソードを中心に、猫ロ眠@囚人P氏のゲーム制作における想いや未来についてお聞きしました。
囚人さん:格好いいですね(笑)、クリエイティブ・ディレクター。
少女たちが『単なる装置』にならないよう強い願いを込めて作っています
───クリエイティブディレクターとして一番想いを込めたところはどこですか?
囚人さん:一番か……難しい。ちょっと語弊があり、言葉の解釈にも左右されてしまうのですが……ひとつあります。
ゲームはゲームである以上、『ゲーム性』が重要ですから、ともすると『シナリオ』や『キャラ設定』、いわゆる物語的な諸々の全てが『添え物』に徹することを求められる瞬間がある、あったんですよね。
「感染×少女」で一例をあげると、「ゲームを楽しむために少女たちが存在するのか?」「少女たちを愛する過程にゲームが存在するのか?」
どちらが正解か、どちらも正解じゃないか、ゲームごとにも違うでしょうし、ユーザー様ごとにも違う、唯一解のない問いでした。
それでも……いえ、だからこそ私が一番想いを籠めたのは、少女たちが『単なる装置』にならないことでした。ゲームを成立させるためだけの装置、です。
少女たちの生き様、人生、暮らす世界、人間関係、少女たちが内包する感情……それら全がゲームを楽しむ飾りで終わらないよう、空虚にならないよう、『ゲームの添え物として彼女たちは生きてるんじゃない』という強い願いを籠めました。
ゲームは最終目的ではなく、時に少女たちと出会う手段であってほしいと。いつかゲームを飽きてしまう日がきたとしても、少女たちだけは好きでい続けて頂ければ、少女たちもきっと報われると信じて。
───改めてですが、ゲームのお仕事は楽しいですか?
囚人さん:楽しいです! 同時に、吐血するほどの忙しさに最初は驚きました(笑)
「ゲーム運営は無限のマラソン。止まるのは死ぬ時だけだ」と嘘か本当か巷間で聞きますが(笑)、とはいえ、マラソンが大好きな自分としては、無限に幸せが続く仕事です!
なにより、作家、イラストレーター、作曲家、声優、プログラマー、エンジニア、デザイナー.etc ──ここまで多種クリエイターが総動員して作る創作も、ゲームならではで、作家だけでは知り得ない感性との衝突にかなり刺激的です!
───作家として、作曲家としてゲームのシナリオを手がけ、クリエイティブディレクターにまでなった訳ですが、今後のビジョンを教えて下さい。
囚人さん:アニメ化です。「感染×少女」を始めとした、シナリオ執筆作のアニメ化。ずっと高校生からの、目標の一つでした。
ゲームに携われたことで、より目標への距離感を知り、多くの選択肢を開いて頂けたと思います。
あとは、新たなゲームを、0段階からの制作に挑戦してみたいですね。クリエイターとしての処女作である「囚人」と「紙飛行機」なども、ゲーム化等の新たなメディアでのアウトプットに再挑戦したくは考えてます。
味方をしてくれる方、企業様は随時募集中です(笑)TwitterのDMまで(笑)
───このインタビュー記事を読んで下さっている読者の皆様に対して一言頂けますでしょうか?
囚人さん:そうですね……何を言えばいいですかね(笑)。『出会い』がテーマということで、……。「道は自分で切り開くもの」という格好いい生き方の真逆も、また、クリエイターの格好いい戦い方だと私は思います。
誰かが切り開いてくださった舞台で、だからこそ自分は最高のパフォーマンスを発揮する……切り開く戦いをするパートナーとの出会いほど、クリエイターとして幸せなことはないですね。
いい作品が世に出る時は、100%そのステージを組み上げたパートナーの功績がある、だからこそステージに見合うよう、もっと頑張っていきたいですね。
竹下:目に熱いものがこみ上げそうですね……(笑)。私が囚人さんの転機のきっかけに関われた事は感慨深いです。
でも、最初からこうしようなんて微塵も思ってなかったですが、Deinoさんとの出会いから何かがスパークして小さいですが、「オリジナル原作、I P、楽曲、映像」を凝縮したコンテンツを私を含めたコアメンバー4人で作り上げました。
いつかは「ゼロマキナ」をゲームやアニメにもしたいと言う思いを大切にしながら、囚人さんの更なるご活躍に期待したいと思います。ここまでよく頑張ってこられました!
猫ロ眠@囚人PTwitter:@syujinP
インタビューを終えて
竹下:「運と縁とタイミング」さえあれば可能性は無限大に広がる。人材事業にも全く同じ要因が多々あります。今後も弊社は未来のゲーム業界を支える新たな才能を支援するためのサポートにも積極的に力を入れ、業界の未来に貢献したいと思います。
<ゲーム業界リレーインタビュー>バックナンバー
- 1
- 2