業種別 ・ゲームクリエイターになるためのポートフォリオ作成指南

「ゲーム会社にクリエイターとして就職したい」と考えているみなさん、『ポートフォリオ』は作っていますか?ゲーム会社に限らず、クリエイターとして就職するためには必須アイテムとなるポートフォリオ。本記事ではイラストレーター・UIデザイナー・ゲームプランナーの3業種を例に、ポートフォリオの作り方を解説します。
住所・電話番号・メールアドレスのほか、作品を掲載しているWebサイトやSNSのURLを載せるのもおすすめです。
ただし、SNSのリンクを載せる場合には、そのアカウント内で就職に不利になるような内容(他人や企業に対しての愚痴・文句・誹謗中傷、その他自分の不利益になるような投稿)が無いかを確認しましょう。
各業種別ポートフォリオの作り方指南
本章では、業種別にポートフォリオ作成する際に押さえておくべきポイントを解説します。
イラストレーター
採用担当者が見ているポイント
①幅広いジャンルの絵が描けるか
多くの企業はゲーム開発において、幅広いジャンルを取り扱っています。そのため必然的に、描ける作品の幅が大きいと、面接官の目に留まりやすくなります。
例えば、人物イラストなら若い男女の他に老人や子供の作例を入れます。ひとえに人物イラストといっても、タッチの違い(リアリティーのあるイラストか、ゆるいキャラクターのイラストかなど)も重要です。どのような要求をされても応えることができることをアピールすることが大切です。
また、SDキャラの作例もあると良いでしょう。さらに動物やドラゴンなどの「架空の生物」の作例は、描ける作品の幅広さをアピールできます。
背景イラストをメインとしたポートフォリオの場合、自然・都会の街並み・学校などよく使われがちな作例のほか、架空の世界の背景イラストなどもあるとアピールにつながります。
②一作品に何時間かけているか
就職して実際のプロジェクトに参加した場合、納期や作業の日数を厳守することは絶対です。
そのため、ひとつの作品にかける制作時間は面接においてもしっかり確認されるポイントです。全体の制作時間だけではなく、ラフ・線画・彩色など、工程ごとの時間も記載しておくとよいでしょう。
③作成のポイントは何か
「制作にあたって何を心がけたか」「どこに注目して欲しいか」など、アピールしたい部分を記載しておきましょう。
その際、「配色に気をつけました」「キャラの表情がうまく描けました」という単純な説明だけではなく、「夕暮れの風景の優しい雰囲気を伝えるために、暖色系のカラーリングでまとめました」「好きな人に告白するキャラの心情を表現しました」などの『具体的かつ明確な理由』をつけて説明すると、より具体性が高まります。
さらにクオリティアップするポイント
◆「プロジェクト」を意識して制作した作品を加える
自分で架空のプロジェクトを設定し、そのプロジェクトに沿った作品を制作して、ポートフォリオに掲載してみましょう。
プロジェクト名:恋愛シミュレーションゲーム制作プロジェクト
- ターゲット層:20~40代の女性
- 作品:主人公と攻略対象のキャラクターデザインを○体、デートスポットとなる背景を○点制作
このようなページがあると、実際の業務プロジェクトをよく理解し、想定して面接を受けに来ていることをアピールできます。面接官も「応募者はどのような業務で活躍できるか」をイメージしやすくなります。
UIデザイナー
採用担当者が見ているポイント
イラストレーターの項で説明したことに加え、以下のポイントを追加します。
①なぜこのデザインにしたのか?という理由
フォントやカラー、ボタン配置などの細かい部分まで「なぜこうしたのか」という理由をしっかり記載しましょう。「なんとなく」「好きな色だから」といった曖昧な理由ではなく、ひとつひとつの要素に対しての意味や理由をしっかりと説明できるようにすると、プロとしての意識の高さを評価されるきっかけになります。
②ポートフォリオ自体のデザイン
どんなに良い作例を載せていても、ポートフォリオのレイアウトが崩れていると「なぜ全体のデザインに気を使わないのか」という不信感が生まれる可能性があります。
デザイン専門の職種として、イラストレーター以上に全体のデザインに対する目線は厳しくなると想定し、ポートフォリオそのもののレイアウト・デザインにも気を配りましょう。
③制作物に使用したフォントやカラーコードの掲載
使用ソフトや制作時間のほか、UIデザイナー志望特有の項目として、制作物に使用したフォントやカラーコードも掲載しましょう。また、有料素材はもちろん、フリー素材を使用した場合は提供元のURLも記載しておきましょう。
さらにクオリティアップするポイント
イラストレーターと同様に「幅広いジャンルの制作物」「作成のポイント」「プロジェクトを意識した制作物」といったポイントを踏まえてポートフォリオを作成しましょう。
例えば、ソーシャルゲーム制作プロジェクトを想定する場合、「ゲームのロゴ」「各画面の配置」「各種ボタンの配置」「会話ウィンドウ」など、一作品のUIをすべて自作してみるのも手段のひとつです。
ゲームプランナー
採用担当者が見ているポイント
ゲームプランナーの採用の場合、ポートフォリオの重要性はイラストレーター・UIデザイナーよりも低い場合があります。
しかし、提出を求められた場合、本当のゲームプロジェクト企画書を作成するつもりで取り組みましょう。
GAMEMOでは、ゲーム企画書について考えるべきポイントをまとめた記事を多数公開しています。これらを参考にして企画を立て、本記事で解説した内容を加味してポートフォリオを作成することがおすすめです。
おすすめ参考サイト
ポートフォリオを作成するにあたり、参考になるサイトをご紹介します。
はたらくビビビット
ゲームをはじめ、さまざまな業界に志望するクリエイターのポートフォリオを集めたサイト。実際に採用されたポートフォリオを制作者のコメントつきで見ることができます。