ゲームプランナーはきつい?やめとけと言われる理由と現実を解説
ゲームプランナーは、業務の多様さや労働環境の厳しさから「やめとけ」と言われることが多い職種です。
本記事では、ゲームプランナーが「やめとけ」と言われる理由と、それでもなお感じられるやりがいを詳しく解説します。ゲームプランナーを目指す方はぜひ参考にしてください。
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- 1ゲームプランナーとは?
- 2ゲームプランナーはやめとけと言われる理由3選
- 2.1労働環境が厳しい:残業が多い・人手不足
- 2.2年収や待遇への不満
- 2.3幅広い業務と負担の高さ
- 3実際にゲームプランナーが転職・離職をする理由4選
- 3.1労働環境の改善を求めて
- 3.2人間関係の問題
- 3.3収入への不満
- 3.4やりたい仕事ができない
- 4ゲームプランナーになるには?
- 4.1必要なスキル
- 4.2就職するまでのルート
- 5ゲームプランナーに向いている人の特徴
- 5.1ゲームに対する理解がある
- 5.2コミュニケーション力とチームワーク力がある
- 5.3クリエイティブな発想力と分析力がある
- 5.4柔軟な対応力とストレス耐性がある
- 6まとめ|適性をしっかり見極めて
ゲームプランナーとは?
ゲームプランナーは、「ゲームの企画・立案を行う職種である」とイメージする方も多いでしょう。
しかし実際には、企画・立案に留まらず、ゲーム制作プロジェクトの進行管理や、ゲーム発売後の管理までを担当し、ゲーム全体の魅力と品質を高めることがゲームプランナーの仕事です。
ゲームプランナーの主な役割は、ユーザーが楽しめるゲームを企画し、それを実現させることです。新しいゲームのアイデアを考えるだけでなく、既存のプロジェクトに参画することもあり、プレイ体験の向上やバランス調整、ユーザー視点でのフィードバックを取り入れながら開発を進めます。
また、チーム全体が効率よく作業を進められるよう、関係者との連携やスケジュール管理も担当するため、幅広い業務をこなす対応力が求められます。
ゲームプランナーの業務は、ゲーム制作の段階ごとに変わっていきます。
初期段階では、ゲームのテーマやコンセプトを企画し、ターゲットユーザーや市場のニーズを踏まえたプランを立案します。
その後、ゲームシステムやレベルデザイン、キャラクター設定など、具体的な仕様書を作成し、他のチームメンバーに共有して開発を開始します。
また開発中は、ゲームの進行状況を確認し、スケジュール通りに進んでいるかを管理するほか、テスト段階ではバグの確認やプレイ感覚の調整など、品質向上に向けたデバッグ作業も行います。
ゲームプランナーの仕事内容について解説している記事もありますので、詳しくは関連記事をご覧ください。
ゲームプランナーはやめとけと言われる理由3選
ゲームプランナーは多くのやりがいや達成感がある職種ですが、その一方で「やめとけ」と言われる厳しい側面もあります。
ここでは、現場でのストレスや業務量、収入面などの課題について解説します。
労働環境が厳しい:残業が多い・人手不足
ゲームプランナーは、納期や多忙なスケジュールに追われやすい傾向にあるため、長時間労働が発生しやすい職種です。
「求人情報・転職サイトdoda」では、毎年職種別に平均残業時間ランキングの調査を行っています。調査の中から、クリエイティブ職の「プロデューサー/ディレクター/プランナー(出版/広告/Web/映像関連)」を見ると、5年とも上位にランクインしています。
2020年はコロナ禍の影響により、どの職種も残業時間が減る傾向にありましたが、その後は娯楽コンテンツの需要の高まりや、リアルイベントの需要の回復などから、残業時間も伸びています。
さらに人手不足も重なり、労働時間が長くなる傾向があります。
人手不足については、ゲームプランナーの仕事に限ったことではなく、「ITに関連する職業について」の調査でも「深刻な人手不足が懸念される業界」と特徴の解説がされています。
年収や待遇への不満
ゲームプランナーの仕事は、業務範囲が広く、責任も重いため、非常に負担が大きい職種です。しかし、その負担に対して満足のいく報酬や待遇を得られないことが、不満の一因となっています。
職業情報提供サイトjobtagでは、ゲームクリエイター(ゲームプランナー)の平均年収は551.4万円との結果が出ています。
dodaによる「平均年収ランキング」では、全年代での平均年収は414万円でした。
全年代での総合平均年収と比べると、ゲームプランナーの年収は高い数字です。しかしながら、前述した労働環境や待遇から、年収に不満の声が多い傾向にあります。
ゲーム業界はクリエイティブ産業としての側面が強く、「好きなことを仕事にする」ことをモチベーションとする人が多いため、労働条件や給与の改善が後回しになりやすい状況にあります。
ゲームプランナーを目指す場合、年収や待遇面に過度な期待をせず、「ゲーム作りの楽しさ」や「ユーザーの喜び」をやりがいにできるかどうかがポイントとなります。
また、キャリアアップやスキル習得を通じて、プロデューサーやディレクターなど、より高収入が見込めるポジションを目指すことも選択肢の一つです。
幅広い業務と負担の高さ
ゲームプランナーの業務は、ゲームの企画立案や仕様書の作成からプロジェクト管理、チーム内外のコミュニケーションまで、多岐にわたります。
そのため、求められるスキルが非常に幅広く、ひとりで複数のタスクをこなさなければならない場面も多くあります。また、常にユーザー視点を意識し、細かな調整やバランス取りも行うため、責任感と柔軟な対応力が求められます。
業務の幅が広いがゆえに、すべての工程を把握しながら進めるのは簡単ではありません。企画段階でのアイデアを形にするためには、技術的な制約や予算の制限を考慮する必要があり、他部署との密接なコミュニケーションも求められます。
細かい調整が多く発生するため、計画通りに進められないことを負担に感じる場合や、人間関係が大きなストレスになる人もいます。
以上のような負担の多い業務内容を、精神的・肉体的に厳しく感じる人が多いため、「やめとけ」と言われる要因となっています。
実際にゲームプランナーが転職・離職をする理由4選
ゲームプランナーとして働く中で、理想と現実のギャップや、環境面の厳しさから転職・離職を考える人も少なくありません。
ここでは、実際にゲームプランナーが職を離れる主な理由を4つに分けて解説します。
労働環境の改善を求めて
ゲームプランナーは、納期やスケジュールに追われることが多く、長時間労働が避けられない職種です。特に開発の後半やリリースの直前は、残業や休日出勤が増える傾向にあり、精神的・肉体的な負担が大きくなりがちです。
残業や休日出勤が発生しやすいゲームプランナーは、厳しい納期や業務範囲の広さ、突発的な対応、開発段階ごとの役割の変化、そして調整役としての負担など、多くの要因が絡み合って発生しています。特にリリース直前や大きなプロジェクトの節目では、集中して作業を行うことが求められます。
このような労働環境から離れたく、ワークライフバランスの取れた職場を求めて転職を考える人も少なくありません。
労働環境の改善を目的とした離職は、ゲームプランナーの中では一般的な理由の一つです。
人間関係の問題
ゲーム開発は、チーム内外との密なコミュニケーションが必要であり、さまざまな職種のメンバーとの協力が不可欠です。その分、コミュニケーションにおける摩擦や意見の対立が発生しやすく、対人関係のストレスが増えることがあります。
特に、プロジェクトが進行するにつれてプレッシャーも大きくなるため、ストレスが溜まりやすくなります。そのようなときにチーム内での関係が悪化すると、離職や転職を考えるきっかけとなり得ます。
収入への不満
ゲームプランナーの労働時間や負担に対して、給与がそれほど高くないと感じる人も少なくありません。
「年収や待遇への不満」でも解説したように、平均年収を上回る給与水準ではありますが、業務内容に対して満足できる収入ではないと不満を感じる人もいます。
他のIT業界やクリエイティブ職と比べて、大幅な昇給が期待しづらいため、収入に不満を抱えるケースも多いです。大手ゲーム会社での勤務や、プロジェクトの成功に関わることで、大幅に収入が上がることもありますが、ゲームプランナーは、希望する収入につながりにくい場合があります。
そのため、より高収入が望める業界や職種への転職を検討するゲームプランナーもいます。
やりたい仕事ができない
多くの人は「ゲームが好き」「自分のアイデアをゲームとして形にしたい」という思いを持ってゲームプランナーの仕事を選ぶでしょう。
しかしながら、ユーザーのニーズや市場のトレンドに合わせた企画が優先されるため、必ずしも自分の理想のゲームが作れるわけではありません。ゲーム開発に関わる細かな作業も行うため、「やりたい仕事ではないのに」と感じることもあります。
実際に、企画が通りづらかったり、上層部やクライアントの要望に合わせた修正が頻繁に求められることもあります。
このギャップから、「やりたい仕事ができない」と感じて転職を決意するケースも多いです。
ゲームプランナーは、実際に勤めるまで仕事の内容が見えづらい仕事であるといえます。
ゲームプランナーになるには?
ゲームプランナーを目指す際に、有利なスキルや知識があります。
ここでは、ゲームプランナーになるために必要なスキルやステップについて紹介します。
ゲームプランナーになるためのステップについては、下記の記事でも詳しく紹介しているため、よければあわせてご覧ください。
必要なスキル
「ITに関連する職業についての調査」では、「IT業界で働くために特別な資格は必要ない」とされています。これはゲームプランナーでも同じで、必須の資格などはありません。資格よりも、ゲーム開発の経験やコミュニケーション力などが重視されることが多くあります。
また、多職種と関わり合いながら仕事を進めるゲームプランナーには、ある程度の業界知識やプログラミングの知識があると、スムーズにプロジェクトを進められるため、採用時に有利にはたらきます。
就職するまでのルート
ゲームプランナーとして働くためには、ゲーム業界で求められるスキルや経験を身につけ、採用のステップをクリアする必要があります。
本記事では、「未経験で就職する」「専門学校に通う」「独学で学んで就職を目指す」このようなルートからの就職を考えます。
自分に合ったルートを選んでみてください。
未経験で就職する
未経験からゲームプランナーを目指す場合は、企業の「ポテンシャル採用」や「未経験OK」の求人を狙う方法があります。
ポテンシャル採用の場合には、ゲームに対する深い知識や愛情を持っていることを面接で伝えましょう。特に「どのようなゲームをプレイしてきたか」「どのようなゲームを作りたいか」といった具体的なビジョンを話せるとアピールにつながります。
未経験でもゲーム業界に転職できるのかを考える記事がありますので、こちらも参考にしてみてください。
専門学校に通う
ゲームプランナーを目指す専門学校や、大学のゲーム関連学科に進学するのも有力な方法です。ゲーム企画の立て方、仕様書の作成方法、チーム開発の進め方など、実務に直結するスキルを学べます。
スキルを身につけてから就職をしたい、ゲームプランナーの仕事に適性があるかを見極めたい、という人にはおすすめです。
学校にはゲーム業界の講師やOBがいる場合が多く、就職に向けた情報やコネクションを得られることがあります。
また、学校の就職サポートを利用することで、希望する仕事を目指しやすくなります。
独学で就職を目指す
独学でゲームプランナーに必要なスキルを学び、就職を目指すルートもあります。
ゲーム企画書の作り方の書籍を読むことや、実際に無料のゲームエンジン(UnityやUnreal Engine、RPGツクールなど)を使って簡単なゲームを制作することで、ゲーム開発についての知識を深めることができます。
ほかにも、ゲーム開発者向けのイベントやSNSコミュニティに参加することで、人脈を広げたり、業界の最新情報を得たりすることで就職につながる場合もあります。
ゲームプランナーに向いている人の特徴
ゲームプランナーは、多岐にわたる業務をこなし、チーム全体をまとめる役割を担うため、適性が重要です。仕事に向いているスキルや特性が備わっている人ほど、ゲームプランナーとしての活躍が期待されます。
ここでは、ゲームプランナーに向いている人の具体的な特徴を解説します。
ゲームに対する理解がある
ゲームプランナーには、ゲームに対する深い興味と理解が不可欠です。
プレイヤー視点でゲームを分析し、何が面白く、どこに改善点があるのかを見極める力が求められます。
また、幅広いジャンルのゲームに触れることで、自分の企画に活かせる要素を吸収することが重要です。さらに、単に「遊ぶ」のではなく、ゲームの構造や仕組みを考えながらプレイする姿勢が役立ちます。
こうした理解が、説得力のある企画書や新しいアイデアを生み出す基盤になります。
コミュニケーション力とチームワーク力がある
ゲーム開発は、プログラマーやデザイナー、マーケティング担当者など、異なる専門分野の人々が連携して進めるチーム作業です。ゲームプランナーはその中心に立ち、各メンバーと適切なコミュニケーションを取ることが求められます。
ゲームプランナーは、相手の専門知識を理解しながら意見を交換し、プロジェクト全体をスムーズに進める調整役となります。また、メンバー同士の意見の衝突が起きた際には、円滑に解決するスキルも重要です。
コミュニケーション力とチームワーク力があれば、全員が共通の目標に向かって進む環境を整えられ、現場でも重宝される存在になります。
クリエイティブな発想力と分析力がある
新しいゲームを企画するには、クリエイティブな発想力が求められます。
ただし、斬新なアイデアを考えるだけでは不十分で、そのアイデアが市場で成功する可能性を冷静に分析する力も必要です。市場トレンドやターゲット層のニーズを把握し、それを企画に反映させることで、説得力のある提案ができます。
また、失敗した企画や既存のゲームの課題を学び、次の企画に活かす姿勢も欠かせません。クリエイティブな発想力と分析力、この両方のバランスが取れた人が、ゲームプランナーには特に向いています。
柔軟な対応力とストレス耐性がある
ゲーム開発の現場では、開発が予定通りに進まないことも珍しくありません。急な仕様変更やトラブルが発生した際には、迅速かつ冷静に対応できる柔軟性がゲームプランナーには必要です。
また、タイトな納期や予期せぬ問題に対応する中で、精神的な負担がかかることも多くあります。
人間関係で感じるストレスにも、柔軟に対応できるコミュニケーション力や思考力があれば、他職種とも関わりやすくなります。
ゲームプランナーには、ストレスをコントロールし、冷静に対処する力が求められます。さらに、何度もやり直しが発生する開発過程でも、前向きな姿勢を保ちながら取り組むことが、ゲームプランナーとして働くには必要となります。
まとめ|適性をしっかり見極めて
ゲームプランナーは、多くのスキルや能力が求められるやりがいのある職種です。しかし、業務の多様さや労働環境の厳しさから、「きつい」「やめとけ」と言われることも少なくありません。
自分に向いているかどうかを判断するためには、仕事の現実を理解し、自分の適性や価値観と照らし合わせることが大切です。
クリエイティブな発想力や分析力、チームでのコミュニケーション能力がある人にとっては、夢中になれる仕事になる可能性があります。一方で、納期のプレッシャーや長時間労働、他職種との人間関係にストレスを感じやすい場合は、慎重な判断が必要です。
ゲーム業界で働く目標を実現するためには、自分に合った道を選び、計画的に準備を進めることが重要です。しっかりと適性を見極め、ゲームプランナーとしてのキャリアを検討してみてください。
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